※なんちゃってフットボール雑誌風プレイ記録です。
セリエBに異変!? 美人過ぎる監督に迫る!
(インタビュー・構成 セルゲイ ムカデコフ)
昨年、イタリアの閑静な町に訪れた大事件。
FCトリノは無残に降格しただけではない。
幹部会はとんでもない監督を就任させたのだ。
無名のアルゼンチン人、彼女に名前はミリー・ビセンテ。
そう、セリエBに女性監督が生まれたのだ!
その美貌はともかくとして、男の世界であるフットボールの世界で、
スタンドではなく、ベンチに女性の姿を見ることになるとは。
しかし、彼女はただの広告塔ではなく、一年でFCトリノをセリアAに復帰させた。
今回は彼女の生い立ちを含め、この一年を振り返るべく話を聞いた。
セルゲイ(以下S):こんにちは、ミス ビセンテ、今日は色々と話を聞かせてください
ミリー(以下M):こんにちは、セルゲイ、私のことはミリーでいいわ、こちらこそよろしくね。
S:では、ミリー、最初に君の生い立ちから聞かせてほしいんだけど。
君にはイタリア人の血が流れてるんだよね?
M:ええ、そうよ。父がイタリア人なの。父が南米に旅行した時に母をナンパして出来たのが私らしいわ(笑
S:両親はどんな人?
M:父は陽気な女たらしよ。で、フットボールジャンキーね。私もその影響を受けたわ。
母もノリがよくて元気な人よ。
S:フットボールはお父さんの影響なの?
M:そうね、家族でアルゼンチンで生活してて、私はリーベルのファン。で、アンチマラドーナ(笑
まあ、昔のプレイを見てたらイメージ違ってたんでしょうけど、
物心ついたときには彼ってばタダの変人だったのよね(笑
S:レジェンドに凄いこというね(笑
君自身のフットボール経験は?
M:ハイスクールまでアマチュアでプレイしてたわ。
でも才能がないのは分かってた。
フットボールにはずっと関わっていたいと思ってたから、すぐにコーチの勉強を始めたの。
S:なるほどね、監督としてはどうだい?
M:勉強しながら少年チームの監督をしてたわ。
トリノの監督就任!そしてセリエBの激闘へ
S:トリノの監督に就任したいきさつは?
M:私のおばあちゃんがトリノに住んでいるの。
ユベントスとFCトリノの町と理解してたわ。
で、FCトリノの降格と監督更迭のニュースを聞いて…。
S:就任会見でも話題になったレポートだね。
なんでもトリノの降格までの試合レポートと解決策を書いて送ったとか!
M:ええ、なが~いラブレターね(笑
でもトリノの幹部会は真面目にそれを読んでくれたのね。
そしてまさかの就任依頼よ!天にも昇る気持ちだったわ!
序盤は大苦戦…
S:チームにはいくつか補強したよね。
エドガー・ダービッツの合流には驚いたよ!
M:勝者のメンタリティを持つベテランが必要だと思ったの。
彼は適任だったわ
S:でも序盤はとても「勝者」とは言えなかったよね。
M:負けてもなかったけどね。勝ちきれず引き分ける試合が多かった。
冬でもウインターブレイクを8位で折り返したときは絶望したわ。
メディアでは優勝候補だったんですもの
S:絶えず、解任の噂があったね。
キミ自身も認める発言が多かった。
M:嘘は言えないもの。
S:でも、冬を過ぎてチームは持ち直したね。
戦術を変えたの?
フォーメーションはいじってなかったよね。
M:4-1-4-1ね。私は4-3-3って言ってるけど。
S::これは開幕から変わってなかった。
でも、冬から劇的に変わったのは何故かな?
M:これってバルセロナでも良く見る戦術よね。
で、私は遠慮してたんだけど、言ってみればもっとバルサ的にしたのよ。
つまりディフェンスラインを極端に押し上げたのと、
選手達に、より攻撃的に行くようにさせたわけ。
S:結果として、裏を取られる場面が多くなりましたね。
M:オフサイドトラップを破られてね。
でも、そこは冬の補強で補ったわ。
S:De Munerの獲得ですね。彼の獲得には批判も多かったですが?
M:でも、リーグ終盤には逆にサポーターからも褒められたわよ(笑
170Mという移籍金が問題にされてたけど、結果的には大正解だった。
やっぱりアルゼンチン人は頼りになるわね。
S:イタリア人のカテナチオではダメですか?(笑
M:そんなことないわ。それにイタリア人のファンタジスタを冬に加入させてるしね。
S:Verratiですね。
M:イタリアの人は彼の将来が楽しみでしょうね。
もともと開幕時に獲得するつもりだったのが、ウディネーゼと競合して負けちゃったのよね。
そこをレンタルで加入させたわけ。
S:今期は完全移籍で獲得しましたね。
それ以外にも若手を何人か獲得してますね。
M:若い男がすきなのよ(笑
冗談はともかく、将来を担える選手を多めに獲得したわ。
S:昨季のリーグ戦の話に戻りますが、後半はBianchiの活躍が凄まじかったですね
M:彼のおかげで昇格できたようなものよ。
S:そのBianchiが怪我をした後半4試合は全く勝てませんでした。
一時は首位に躍り出たのに、また順位を下げましたね。
結果、プレーオフにまわることになりました。
M:きわどい試合だったわ。
サッスーロにはアウェイで勝って、ホームで分けたんだけど、
Bianchiが怪我から戻ってなかったら、間違いなく負けてたと思うわ。
S:そしてプレーオフ決勝のブレシア戦はまさに激闘でした。
アウェイで1-2で負けたあと、ホームで開始4分で先制。
さらに追加点で勝負あったと思いましたが、後半に追いつかれて延長戦になりました。
最終的にはドローで、順位が上だったトリノの昇格が決定しました。
M:まさに薄氷の上にいる気分だったわ。
本当は勝って終わらせたかったけど。
でもBianchiも得点王になれたし、結果オーライよね。
S:28ゴールも凄いですが、年間42試合出場というのも凄いですね。
M:怪我した試合以外はずっと出てたし、頼れる存在が正直なところ彼しかいなったの。
控えは若いMiriminぐらい。彼も才能はあるけど未熟だからね。
そしてセリエA挑戦へ
S:ではミリー、来期のセリエA挑戦に向けてのチーム作りを聞かせてもらえないかな。
M:戦術は大きくは変えないと思う。私は攻撃的なサッカーが好きだから。
それはイタリア的でないかもしれないけど、選手達は気に入ってくれてるわ。
S:選手の補強に関しては?
M:選手を放出しつつ、若手中心に補強ね。
S:一人、大物を獲得したと聞いたけど?
M:ああ、Buonanotteのことね!
M:彼は昨年、とても不幸な事故を起こしてしまった。
でも、ここで復帰したらビックカムバックになるわね。
(※実際に起きた事故です)
S:なるほど。では来年もFCトリノとその監督に注目させてもらうよ。
今日はありがとう
M:ええ、こちらこそ。
色物扱いされてきたミリー・ビセンテだが、実力を示すことで、周囲を認めさせてきた。
彼女の名声はフットボール的な意味でも国内に名を轟かせるまでに至った。
今後も健闘を祈るとともに注目していきたい。